今回試したのは、白鶴酒造が販売するBlue Moon(ブルームーン)です。
「Blue Moon(ブルームーン)」は国内では一時姿を消していた時期もあり、再登場に歓喜するファンも多いビールです。
買うなら瓶!
白鶴酒造が手がけるこのホワイトエールは、久しぶりに瓶で発売されたと聞き、迷わず手に取りました。封を外す瞬間の軽やかな音、王冠を外すという小さな儀式。その時点で、ただのビールではない特別な時間が始まる気がします。
グラスには注がず、そのまま瓶から飲むのが自分のスタイルです。手のひらに感じる冷たさが心地よく、口に含んだ瞬間の柔らかな泡立ちが印象的。ホワイトエール特有の優しい味わいに加えて、Blue Moonならではの独特な香りが広がります。オレンジピールの爽やかさと、わずかな甘みが絶妙に重なり、飲みやすさの中にも深い余韻があります。まるで、ゆっくりと夜に沈む月のように静かな存在感を放ちます。
このビールの魅力は、軽やかさだけで終わらないところにあります。最近は、軽くて便利な缶チューハイなどのライト系のお酒が主流ですが、しっかりとビールですし、瓶を手にして王冠を開けるという行為には、どこか古き良き“お作法”のような楽しみがあります。乾杯の時に瓶を軽く当て合う音も、美しく心に残るものです。小さな所作一つひとつが、飲む時間を大切にしているようで愛おしいのです。
ホワイトエールといえば、海外で親しまれるクラフトビールの代名詞でもあるが、このBlue Moonは日本の食卓にもよく合います。例えば、軽めのチーズや魚料理、和風のおつまみと合わせても違和感がありません。個性がありながら、押しつけがましくないのです。そんな親しみやすさが「飲みやすい」と感じる理由の一つかもしれません。
一方で、日本ではお酒を飲まない文化が少しずつ広がっていると感じています。健康志向や時代の流れもありますが、食卓からお酒が少しずつ姿を消していくのは、どこか寂しい気がします。ビールを通して語らう時間や、誰かと乾杯する喜びは、人と人をつなぐ大切な文化だったはず。だからこそ、こうしたクラシックなスタイルのビールが復活してくれたことに意味を感じます。
白鶴酒造が「Blue Moon」を再び日本で楽しめるようにしてくれたことに、改めて感謝。瓶という形で味わう特別な体験は、きっとこれからも多くの人に“飲む時間の豊かさ”を思い出させてくれるでしょう。便利さや効率だけでは語れない、手間を含めた魅力。それを象徴する一本が、この「Blue Moon」と言えます。
今夜もまた、月を眺めながら、静かに王冠を開けましょう。泡の音の向こうに、誰かとつながる温かい時間が流れているから。

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